スクリーン印刷とは
原理 :
印刷用の版には、凸版、平版、凹版、孔版の4種類の形式がありますが、スクリーン印刷では、孔版を使用します。

ポリエステルなどの繊維で織った紗(スクリーン)を枠に張って固定させます。

その上に版膜(レジスト)を作って、必要な画線以外の目をふさげばスクリーン版が出来ます。

スクリーン版の枠内に印刷インキをのせて、スキージでインキを摺動します。

インキはレジストのない部分のスクリーンを通過して、被印刷物に転移します。
歴史
スクリーン印刷のルーツは、日本の友禅の型染めであると言われています。これが欧米に伝わり、おもにアメリカで改良され発達しました。
日本では第2 次大戦後アメリカから持ち込まれた製版材料や印刷機械に影響を受けて国産品が登場し、スクリーン印刷が広く行われるようになりました。
又、昭和20年代後 半からの製版技術の進歩で精密な画像のスクリーン印刷が可能になり、用途が広がりました。
スクリーンインキは、当社が1957年の創立直後から独自に研究開発を行って、紙用、プラスチック用、金属用、布用などの各 種材質用のインキを次々に発売しました。
その後も研究開発を続けて、1980年頃にはUVインキ及び水性インキを実用化しています。最近は環境にやさしい UVインキの需要が大きく伸びています。
特徴
スクリーン印刷は、他の印刷方式と比較した場合に、次のような長所と短所をもっています。

印刷できる
水と空気以外なら何にでも印刷できると言われるほど。紙以外の材質に印刷するときによく利用されます。

印刷できる
版が柔らかく、どんな形のものにも密着するので、サイズ、素材を問わず、ボトルなどの局面にも自在に印刷できます。

印刷できる
版が柔らかいので、紙や布のような柔らかいものからガラス、金属などの硬いものにも印刷できます

印刷できる
印刷圧が低いので、例えばガラス製品やお菓子、食品などの壊れやすいものにも印刷できます

特殊な版を使用することで、インキを厚く盛ることができるので、凹凸のある点字の印刷もでます。

耐候性も良い
インクを厚く盛ることができるので下地の影響を受けにくく(隠蔽力)、鮮明な発色や高い耐候性も実現できます。

使用できる
当社は創立以来、研究・開発を重ね、様々な材質に適したインキを製品化してきました。最近は機能性のインキも増えています。

版を比較的安価に作れるため、少量印刷の際には、1枚あたりのコストを抑えることができ、有利です。

生産コストが劣る
オフセット印刷と比べると版の耐久性や印刷速度が劣り、コストの面からも大量印刷には適していません。

少し劣る
インキの厚膜による表現に優れる一方で、精密な表現はやや劣ると見られています。版の劣化により再現性もやや劣ります。
用途
スクリーン印刷は、他の印刷方式では印刷が困難な被印刷物を中心に、多くの産業製品に利用されています。





キーボード

(メンブレンスイッチ)






スクリーン印刷宣伝用パンフレット
日本スクリーン印刷資機材工業会が作成した、スクリーン印刷の宣伝用パンフレットをご覧いただけます。一部内容的に古くなっている部分はありますが、基本的には現在も変わりありません。スクリーン印刷一般を説明する資料として、ご紹介します。サムネイル画像をクリックすると大きな画像が表示されます。