Q10-17
17. 4300FG-20を使った印刷物が約1年間の保管中に一部分がブロッキングした。原因と対策が知りたい。(保管状態は不明)
- 生地:アート紙(印刷面はマットPPラミ上)
- インキ:OP4300 FG-20 厚盛クリアー
- 印刷:シリンダープレス(1200回転)
- 光量:約170mJ/cm2
- 印刷膜厚:25〜35μm
ブロッキングとはインキ皮膜面と重なり合う材質面との間に圧力が加わった時に、インキ皮膜の一部分が材質面へ粘着(又は接着)してしまう現象です。
これを無理に引き離そうとした時にその粘着(接着)力が強い場合には材質の一部分が破壊され、インキ皮膜上に移行してきます。
粘着(接着)力が同等であっても材質破壊が起こらなければ、音がする程度でインキ皮膜面と材質表面からの引き離しは可能です。
UVインキのブロッキングに関しては、一般的に下記の様な発生要因が考えられます。
発生要因 | 発生傾向 |
---|---|
インキ皮膜の硬化度合 | 硬化時の光量が低いほど発生しやすくなります |
重ねる材質表面の影響 | 光沢のある材質ほど発生しやすくなります |
重ねる時のインキ皮膜温度 | 硬化直後に積み重ねた場合、硬化時の反応熱が内部に蓄積し、ブロッキングが発生しやすくなります |
インキ皮膜面に掛かる荷重 | cm2当たりの荷重が大きいほど発生しやすくなります。 積み重ねる材質面中の印刷場所によっても荷重は変化します |
印刷膜厚 | 厚いほど発生しやすくなります |
荷重時の環境 | 温度、湿度とも高いほど発生しやすくなります |
荷重期間 | 長いほど発生しやすくなります |
ブロッキングに関しては種々の要因が複合して発生している場合が多く、原因を特定できないケースが少なくありません。
また長時間経過しないと結果が判明しないので、事前の試験を困難にしているのが現状です。
しかし上記各要因につきましては、なるべく安全な方向でご検討下さい。