十条ケミカル株式会社

スクリーンインキをつかう

スクリーン印刷は、様々な材質や形状のものに印刷され、用途や要求される性能も多岐にわたります。スクリーンインキもそれぞれの材質、形状、用途、性能に適した多種多様なものがあり、以下にそれぞれの技術的特徴や使い方、性能、トラブル時の対応などについてまとめました。私たちのこれまでの実績やノウハウが結実した技術情報の数々です。

  • 材質に関する資料

ポリオレフィン材の表面処理

はじめに

PP(ポリプロピレン、Polypropylene)及びPE(ポリエチレン、Polyethylene)等のポリオレフィン系のプラスチックは、表面の極性が小さく、化学的に安定で、有機溶剤に浸されることが少ないという性質を持っています。その為、何も表面処理を行わない場合には表面のぬれが悪く、インキの接着性も劣ります。よって実用的な接着性を得るためには、表面処理を行う必要があります。PP材は最近塩ビ(塩化ビニール、PVC)の代替素材として使用されることが多くなっており、お問い合せが増えてきています。 ポリオレフィン材の表面処理には、次のような方法があります。

1.コロナ放電処理

コロナ放電が生ずる電界内をポリオレフィン系プラスチックを通過させ、樹脂表面の分子を改質させる方法です。処理されたプラスチック表面は、インキのぬれ特性が変化し、接着性が向上します。この方法は、主にフィルムやシート類に適用されます。原反メーカーで処理されたものを購入し、印刷するケースが多いと思いますが、処理後時間が経過するにつれ、処理効果がだんだんと失効してきますので、購入後すぐに印刷するようにして下さい。更に印刷前には処理効果(ぬれ性)を確認するようにして下さい。ぬれ性は、指示薬(ぬれ指数液)により確認できます。

2.フレーム処理

成形品(ブローボトルやチューブ等を含む)で多く利用されている方法です。プラスチック表面を回転又は移動させながらガスの炎であぶり、表面の分子に酸素結合又は二重結合を導入します。処理し過ぎると逆効果になる場合がありますので、注意して下さい。ガスバーナーのガス量、空気量及び炎とプラスチック表面との距離等を適正に調整することが大切です。ぬれ特性は、同じく指示薬(ぬれ指数液)によって確認します。UVインキの場合、ぬれ指数値は66〜72dyn/cm2(水ぬれ約30秒)が適当です。ただし材質の種類によって、接着可能なぬれ指数値が変化しますので、注意して下さい。尚二液反応型インキは、これより低いぬれ指数値でも接着します。(フレーム処理を改良した方法として、UVイトロ処理があります)

3.紫外線照射処理(DUV、低圧水銀ランプ使用)

紫外線照射は殺菌などの目的では一般的に行われている処理方法ですが、表面改質にも応用できる事が知られています。以前弊社が実施した試験では、表面改質効果のあることは確認できましたが、前記2種類の処理方法に比較すると処理の程度は充分ではありませんでした。又オゾン雰囲気下で処理を行わなくてはならないなど制約が多いために、スクリーン印刷分野での実績はないと思われます。尚UVインキの硬化装置で使用する高圧水銀ランプやメタルハライドランプには表面改質効果はありませんが、洗浄効果によって接着性が向上することがあります。

4.プライマー処理

ポリオレフィン材に対して接着性の優れたコーティング材(プライマー)を最初にアンダーコートし、この上にインキを印刷する方法です。塗装では一般的に行われている方法ですが、スクリーン印刷では主に雑貨類への印刷で採用されています。工業製品の印刷では、製品の品質基準を満足させることが難しいために採用例は多くありません。弊社ではこの用途向けにPP材用「プライマーL、S、及びX」を用意しております。プライマーは完全に乾燥しても、表面に若干タックが残ったり汚れがつきやすいので、注意が必要です。

5.溶剤処理

プラスチック表面に付着した添加剤類や未反応モノマー等を除去する為に、塩素系溶剤などで洗浄する事があります。しかし一般に溶剤処理だけで表面を改質する事は出来ないため、他の処理方法と組み合わせる必要があります。

尚、表面処理をしない未処理のPP材に対しても、ある程度は接着する蒸発乾燥型インキが開発されています(弊社#5600シリーズ OPSインキ、他)。しかしこれらのインキの物性には限界があり、主には物性要求の少ない雑貨類への印刷で採用されています。工業製品の品質基準を満足させるためには、表面処理の実施及び反応型インキ(2液反応型又はUV硬化型)の使用が必要であると考えます。ポリオレフィン用インキの具体的製品名については「材質と推薦インキ」をご参照下さい。

    

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